みなさんこんにちは!企業損害保険コンサルタントの増木です。
本日は経営者やこれから経営者を目指す皆様に、『リスクコントロール』の基礎をお伝えさせていただきたいと思います。
一見難しそうな『リスクコントロール』という考え方。
実はこの「考え方」というより、この「感覚」を意識していただくだけで、
日々の業務や日常生活において物事の決断をする際、よりクリアに判断していく事が可能になるんです!
むしろ経営者でなくても我々人間や動物はみな、様々なリスクに対面し、無意識のうちに、リスクに対する判断、行動を繰り返しています。
皆さんの日常生活は常に『リスクコントロール』で成り立っていると言っても過言ではありません。
幼少期から自然に行ってきた『リスクコントロール』
例えば、幼少の頃・・
お友達に「はさみ」を渡すときには自分の方に刃を向け
しっかり握りながら渡すように教えられました
これは100%事故が起こらないというわけではないけれど、
誤って他人に刃物が刺さるリスクと、自分も刺さってしまうリスクを大幅に減らす事が出来る、まさに「リスク軽減」をする行為になります。
知らない他人について行ってはいけませんと教えられました
これは知らない他人について行く行為の安全度が幼児では判断できないため、
その行為そのものを止める、「リスク回避」をする行為となり、危険度を下げるための効果は最も大きいと言えます。
大人も無意識に『リスクコントロール 』
大人になったら、よりその判断や要素は複雑にはなりますが、要はその考え方の延長をしているだけなのです。
例えば・・
オフィスビルの廊下に通行の邪魔になりかねない障害物があったとします。
この障害物を移動させてしまう行為を「①リスク回避」
この障害物は動かせないので、張り紙や看板で注意を促す行為などを「②リスク軽減」
と言います。
リスクコントロールにおいて、まず取り掛かるべきことは
「①リスク回避」
「②リスク軽減」
と覚えてください。
優先順位としてはまず、この2つを先に考えるようにしましょう。
そうも避けてばかりいられないリスク
交通事故を起こさないようにするには、自動車に乗らないことが一番です。「①リスク回避」
しかしながら、自動車に乗らないとお仕事にならない業種もたくさん存在します。
リスクと知りながら、利益を得るためには多少のリスクの中に飛び込んでいかないといけないものです。
そこでまずは「②リスク軽減」を行います。
これこそが、企業が取り組む課題であり、アイデアや努力次第で、素晴らしいものになっていきます。
例えば、
■安全運転管理者を選任する
■運転者の健康管理をする
■長時間運転とならないよう、シフトを調整する
などは大切な「②リスク軽減」のための努力です。
しかしながら、どんなに気を付けていても、交通事故は起こってしまう事があります。
その場合に必要なのが「③リスク移転」の代表格、保険の加入です。
「③リスク移転」は保険利用の他に、第三者に移転という意味も含まれており、
この場合、自動車に関する業務を他社に委託するという方法もあります。
4番目のリスクコントロール!
4つ目の対応方法はなんと!「④リスク保有」です。
これをしっかり意識できるようになることこそが、実はリスクコントロールの完成形なのです!
リスク保有の代表的な行為は
■あえて保険に入らない
■不要な補償や特約を外す
■免責金額(自己負担金)を設定する
となります。
保険会社のパンフレットや特約欄には、皆さんを心配させるようなフレーズや、あったら安心だなぁと思うような特約がたくさん掲載されています。
もちろん、万一を考えて補償の範囲や内容が良ければいいのですが、
そうすると保険料も上がってしまいます。
●この特約はうちの会社ではあまり関係がないな。
●古い車が事故にあっても、もう十分減価償却しているので車両保険は不要だ。
●必要な補償ではあるが、保険料が高いので、免責金額を設定して保険料を安くしよう。
など、あえて自分でリスクを保有することにより、
保険料を節約するのも経営上大切な判断となります。
実はこの部分が最も知識が必要な部分であり、慎重な検討を要する部分でもあります。
4種のリスクコントロールはバランスが大事!
自分の売上の事ばかり考えている営業マン・代理店は、みなさんの業務内容や状況、考え方にはあまり興味を持たず、商品の説明ばかりに時間を割いてしまう事でしょう。
優秀な担当者はまず、「聞く」ことからスタートします。
状況を良く理解し、保険以外の部分で「①リスク回避」「②リスク軽減」できる情報を提供し、
「③リスク移転」「④リスク保有」についてもしっかりとメリット・デメリットを説明することが出来ます。
まずはみなさんご自身でこの4種のリスクコントロールを意識してみてください。
日常生活に当てはめて考えてみると、案外楽しいものです。
この意識を日々の業務でも生かすことができます。
人材採用、取引先の選定、販売戦略、チェックリストの作成など多岐にわたりますね。
今後の生活や人生にも良い影響が出てくる事間違いなし!
リスクをうまくコントロールする事こそが、安心して仕事や生活をしていく原動力になっていきます。
すでに企業を経営されている方、これから起業される方には特に重要となる、
『リスクコントロールの考え方』ぜひご参考にしてみてください。
事業者(企業・個人事業主)の賠償責任に関するご相談は随時お受けしております。
保険という狭い視野だけで考えるのではなく、業務全般やご意向を尊重した上で、多角的な視点と事業のご発展のサポートを含め、的確なアドバイスが出来るよう、努力させていただきます。
※ご相談いただいても、もちろん弊社で保険加入いただく必要はございません。
お気軽にお問合せください。
執筆者:企業損害保険コンサルタント・増木 新也
総合保険代理店 株式会社プレミアサポート経営者
企業の損害保険分野・リスク管理を専門とし、リスク管理や事故対応において顧客企業から大きな満足を得ている。また、オリジナルアプリを活用した顧客サービスや経営者支援のためのグループ運営、イベント企画など、ユニークかつ積極的な活動を行っている。