FP相談事例

【ライフ&ファイナンシャルプランニング】リタイア後を見据えたマネープラン

こんにちは!ファイナンシャルプランナー(FP)の金坂浩之です。

今回は「自分や家族の将来のため準備したい!」「投資運用に取り組んでみたい!」「始めるとき何から考えたらいいの?」とお考えの方にご参考に頂けるかと思います。具体例に沿って、進めていきますのでご参考いただけたら嬉しいです。

ご相談内容・ご相談者プロフィール

 

【ご相談内容】

「今まで投資や運用の経験はないけど、将来のために検討したい」

「貯金だけで大丈夫か心配・・・」

「リタイア後に必要なお金は?」

 

【プロフィール】

お名前:Tさま

家族構成:夫35歳、妻35歳、長男7歳、長女4歳

お住まいの地域:東京都

職業・収入:夫/会社員・550万円、妻/専業主婦

居住形態:自己所有マンション(1年前に購入)

保有金融資産:預金700万円(普通預金500万円、定期預金200万円)、学資保険

投資経験:なし

※個人が特定されることを防ぐため、ご家族の年齢や資産状況などは改変しています。

1回目の打合せ【ヒアリング・資産形成方針】

まずはご相談内容と、現状(上記内容)、その他、キャリアプラン、教育プラン、リタイア後の生活のイメージなどライフプランについてお聞かせいただきました。

それから、今まで投資運用の経験がないということでしたので、取り組む際に知っておきたい基礎知識、投資運用で期待できる効果(リターン)、リスク(投資運用では値下がりのことではなく価格のブレ幅)について説明しました。

そして、資産形成から資産の取り崩しをおこなうリタイア後にも、長期的に投資運用を行う方針となりました。

ご意向、現況をお聴きし、資産形成の方針まで決まりましたので、次回は資産形成の目標額を打合せすることにしました。ご夫婦の年金定期便、または日本年金機構「ねんきんネット」で今までの加入内容を確認できるよう、準備いただいて、まず、公的年金の受給額を一緒に試算することにしました。

2回目の打合せ【資産形成目標・毎月積立額】

リタイア時(65歳)の資産形成目標をたてることにしました。

まずは現状把握から

リタイア後の生活資金のベースになる公的年金から試算しました。年金定期便から今までの加入状況を確認し、今からリタイアまでの収入を想定して、65歳からの受給額を試算すると結果は、ご夫婦の年間合計で約290万円、一カ月に換算すると約24.16万円でした。

じぶん年金額を設定

年金だけで生活できないことはなさそうですが、インフレやマクロ経済スライドによる年金額抑制を考慮して目標設定することにしました。ゆとりある生活をするにはと考えると毎月35万円必要と考え、公的年金との差で毎月11万円を準備することにしました。人生100年を前提に考えると、「11万円×12か月×35年=4,620万円」受け取るには!?

どうやって準備する

リタイア後は投資運用せず、毎月11万円ずつ取り崩すとリタイア時に4,620万円を用意しておく必要があります。リタイア後も取り崩しながら運用を続けるとして、65歳時点で、想定利回りを3%とすると約2,858万円、2%とすると約3,321万円、1%とすると約3,897万円の準備が必要です。今回は、リタイア後も取り崩しながら運用する、想定利回りを2%として、退職金や現在の資産を考慮して、リタイアまでに今から2,800万円を用意する目標としました。

続いて、今からいくらずつ積立てらばよいか検討しました。利回り0%だと毎月78,000円(65歳で2,808万円)、利回り5%だと毎月34,000円(65歳で2,829万円)で目標達成です。投資運用をする前提で利回り5%を想定し、毎月25,000円、ボーナスから55,000円、年間41万円を積立していくことにしました。

そして、iDeCo、NISAなど、どの制度を活用するか検討します。

3回目の打合せ【活用する制度や商品の検討】

リタイアに向けた資産形成でしたので、60歳以降でないと受け取れないと制限はあるが税制面でのメリットの多い確定拠出年金を検討。勤務先で確定拠出年金は導入されていないということで「iDeCo/イデコ」を活用するかどうか。現在、住宅ローン控除を利用していて残りの期間も長いので、確定拠出年金のメリットの一つである掛金が所得控除されることでの所得税・住民税の軽減効果がうすれる点、お子さまの進学先によっては教育資金として一部活用する可能性もあるかもということで、すぐに「iDeCo/イデコ」始めるのは見送りました。

そこで投資信託の積立、個人投資家のための優遇制度「NISA/つみたてNISA」を活用することを検討。NISA両制度の違い、選択できる投資信託、非課税期間(ロールオーバーも含め)、投資限度額等について整理していきました。今回は「NISA/つみたてNISA」のどちらかの税優遇制度を利用しながら、投資信託の積立をスタートすることにしました。

以上のように、資産形成における「方針・目的」の確認、資産形成に向けた「目標・積立額」設定、具体的に「制度や商品」選択といったステップで、計画、実行まで行いました。今後は、運用状況、ライフプランなど確認しながら、資産形成をサポートしていきます。

おわりに

いかがでしょうか。リタイア後を見据えた資産形成、資産防衛のご参考にしていただけたら嬉しいです。

今回のようなファイナンシャルプランニングでは、公的年金、投資運用、資産形成向けのNISAやイデコといった税優遇制度などだけでなく、ご家族のライフプランや住宅に関する税制や住宅ローンなどと総合的な視点をもつことも大切です。「あちらをたてればこちらがたたず」ということがよくあります。安心の将来設計のためにも専門家を活用するのも選択肢の一つです。

執筆者:ファイナンシャルプランナー 金坂浩之

千葉県出身 1976年生まれ 1級FP技能士/CFP®/社会保険労務士

大手ハウスメーカー、生命保険会社にて実務、相談経験を積む。相談者一人ひとりのライフプラン実現を支援するコンサルタントとして活動中。

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