こんにちは!ファイナンシャルプランナーの金坂浩之です。
最近は投資運用に取り組む方が増えてきています。iDeCo加入者数は2021年3月末時点1,939,044人(厚生労働省HPより)、NISA(一般・つみたて)口座数は2020年12月末の速報値で1,523 万 9,727 口座(金融庁HPより)と年々増加しています。
こういった資産形成に対する税制優遇制度を上手に活用したいですね。ですが選択肢が増えることで、迷うのも事実です。実際、ご相談の中で「イデコとNISAはどっちがいいですか?」「今、選んでいる投資信託はこれでいいですか?」ときかれることも多くあります。でもその答えは、制度や金融商品の良しあしではありません。ライフプランにあっているか!です。ライフプランというのは十人十色ですので、答えも一人ひとり違うということになります。今回は、金融商品や税制優遇制度を選択する際に必要なライフプランについてです。ご参考いただけたら嬉しいです。
ライフプランとは?
ライフプランとは「生涯生活設計」です。
仕事、結婚や子ども、住まい、リタイア、趣味・・・など、この先どうしていきたいか考えてみる。ライフスタイルはますます多様化していますので、考え方も様々だと思います。「自分なら・・・したい」と理想を考えてみます。そして、それらを一つ一つをつなぎ合わせていくことで、ライフプラン(生涯生活設計)ができていきます。こうやって出来上がったライフプランを考えの基準にすることで、資産運用、住宅の資金計画、リタイア後の生活費を準備するなど検討する際、合理的な判断に役立ちます。ですのでまず最初に、ライフプランについて整理してみることをお勧めします!
そしてライフプランを考えたら、ライフプラン実現のため、現状把握していきます。3つのチェックポイントを紹介します。
ライフプランのチェックポイント ①『支出』
いつ、いくら、どんなお金が必要になるのか確認します。現状とのギャップ、不足額を確認。
【老後資金】生活費、趣味や家族との楽しみのためのゆとり資金、住宅の修繕費用は必要かなど。
【教育資金】進学プラン、私立or公立、高校卒業後の進路、大学進学時の仕送り、大学院進学など。
【住宅資金】購入or賃貸、購入後の住宅ローン返済額、など。
近々つかうお金なのか、それともまだ先なのかによって、貯金しておくのか、運用をしておくことを検討できるのかなど、判断できます。
ライフプランのチェックポイント ②『収入』
収入を確認するのも重要です。現在の収入を前提にこの先ずっと考えてよいか確認しましょう。
現在の仕事を前提にするなら昇給の有無、定年後は嘱託になり収入が下がるとか、退職金は、など。 出産、子育てを考えているなら、例えば育休を長めに取りたい、出産後は働き方を変えたいなど確認しておくといいと思います。 リタイア後の生活を支える公的年金も働き方によって受給額に違いが出ますので、ご自身で厚生労働省WEBサイト「ねんきんネット/日本年金機構」を利用して試算するか、専門家のサポートを受けて試算しておきましょう。
ご夫婦でライフプランを考える場合は、お互い考え方が違うものですので、お互いの考えを知っておくといいと思います。
ライフプランのチェックポイント③『家計収支のチェック』
①『支出』と②『収入』がわかれば、『家計収支』が確認できます。確認してみると、お金が貯めやすい時期とそうでない時期がわかります。
単純に、将来のために〇〇〇万円必要だから○○○円ずつ貯めていこうだと、貯めにくい時期に失敗することがあります。出産、子育て期の収入ダウンを想定していなかった、とか、理想の住宅を計画しようとしたら思ったより住宅ローンの支払いが多くなってしまった、など、誰にでも起こりえますので、将来の家計収支を予想しておくことは大切です。貯蓄プランの見直しが家計にダメージをあたえることもあります。
そして当然ですが、支出が多い時期、収入が少ない時期はどうしても貯蓄しにくくなります。逆に貯蓄しやすい時期もあるものです。そこを見極めて、貯め時にはペースアップ、貯蓄しにくい時期はペースダウンを想定しておけば、資産形成の計画にもゆとりができます。
長寿化がすすむ人生100年時代のマネープランは長距離マラソンのようなものです。楽しみながら走り抜けるためにも、ご自身のライフプラン(生涯生活設計)にあったペース、マネープランを考え、資産形成の税制優遇制度を上手に活用ましょう。
専門家の活用も
制度や商品の選択基準となるライフプランについて紹介いたしました。
最近は、WEB上で、ライフプランや収支シミュレーションを作成したり、NISAや確定拠出年金などのお金の情報を得ることは簡単できます。それには注意も必要で、正確な情報なのか、自分にあった情報なのかの判断を自分でおこなわないといけません。
そこで、専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)を活用するのも有効な選択肢の一つとなります。正しく新しい情報を入手できますし、専門家と一緒に進めることで、ライフプランの考えも整理しやすくなります。資産形成の目標設定から、どうやって目標を目指すのか、途中経過を確認、軌道修正のしながら目標を一緒に目指すことができます。
有料相談はハードルが高いかもしれませんが、経験値のあるFPに総合的な観点でのアドバイスを受けることもできますので、コスト以上の価値はあると思います。専門家の活用もご検討してみてはいかがでしょうか?
執筆者:ファイナンシャルプランナー 金坂浩之
千葉県出身 1976年生まれ 1級FP技能士/CFP®/社会保険労務士
大手ハウスメーカー、生命保険会社にて実務、相談経験を積む。相談者一人ひとりのライフプラン実現を支援するコンサルタントとして活動中。