提携専門家相談事例

ワンルームマンション投資に潜むリスクを失敗事例から徹底解説

ワンルーム投資に潜むリスク(サムネイル画像)

ワンルームマンション投資はサラリーマンや公務員の皆様に非常に人気の高い商品です。

投資目的としては年金対策、生命保険、インフレヘッジなどその方のライフプランによって様々です。

ワンルーム投資で目的を達成し成功している人もいれば、思ったように運用がうまくいかずに大きな売却損をだし「もうワンルーム投資にかかわりたくない!」という方も多いでしょう。

私のもとにはおかげ様で日々多くのワンルーム投資の相談が寄せられます。

物件購入に前向きなご相談もあれば、粗悪な物件を購入してしまいどうやったら手放せるか?など後ろ向きな相談が多いのも事実です。

今回はワンルームマンション投資における実際にあった相談事例をもとにワンルーム投資のリスクなども含めて3つの具体例をお話ししていきます。

失敗事例1,中古の高利回り物件を購入

不動産投資でよく聞く「利回り」についてです。

高利回りの物件を購入したが、買って数カ月で入居者が退去し、新たに入居者を同額賃料で募集しているが全く反響が得られず、結局大きく賃料を下げなければならなくなった・・・というご相談です。

利回りはその不動産の収益性を示す1つの指標です。

利回りは以下のように計算します。

利回りの図

ちなみに区分マンションの地域・地区年別の平均利回りは以下の通りです。

区分マンションの地域地区年別の利回りの推移(健美家)

利回りが高ければ高いほど収益性が高い=儲かる

という認識でOKです。

地域や築年によって相場の利回りはある程度決まってきます。

利回りが最も低い⇒東京23区の10年未満
利回りが最も高い⇒札幌の築20年以降

利回りだけを投資の指標とするのであれば、この中で最も利回りの高い「札幌の築古区分マンション」を選択するのが良いといえます。

しかしながら、この利回りの高さはリスクの高さに比例するといわれています。

単純に考えればわかることですが、すごく儲かる話はその反面、すごく損をする可能性もあるということです。

●相場の賃料と大きく乖離した家賃で入居がついていないか?

●問題のある入居者ではないか?

●今後先々も入居需要の豊富なエリアなのかどうか?

高利回りの物件を狙う際の代表的な注意点を書きましたが、上記以外にも数えきれないほど見なければならないポイントが多く、上級者向けの投資案件といえるでしょう。

失敗事例2,管理費や修繕積立金が高すぎる物件

例えば、札幌は地域的にも豪雪地帯になります。

マンションには二重サッシやロードヒーティングなどの設備を設置したものも少なくありません。

設備が増えれば管理費も高くなりますし、その設備の修繕にプラスアルファのお金がかかります。

管理費や維持費用で多くのお金がかかる=毎月のオーナーの手取りが減る

という現象が起こります。

例えば、毎月の家賃が4万円の物件があったとしましょう。

利回りは以下の通りです。

実質利回りの図

表面利回りは高いですが、実質利回りは大きく下がっていますね。

不動産投資で大切なのは、表面利回りではなくこの実質利回りの考え方なのです。

結局オーナーの手元に残るお金がいくらか?

という指標をもとに利回り計算したものですからね。

上記物件の場合、実質利回りは表面利回りの2分の1です。

つまり、それだけ経費率の高い物件ということになります。

今回の物件は家賃に占める「建物管理費と建物修繕積立金の割合」が50%となっています。

一般的にこの経費率は20~30%以内が適正と言われているためこの物件は経費率が高すぎるといえるでしょう。

●表面利回りではなく実質利回りに注目
●経費率の高すぎる物件に要注意(20~30%以内)

失敗事例3,サブリース物件だったが数年で家賃下落

賃貸経営にはサブリースと言われる管理方式が存在ます。

サブリースは別名「家賃保証」や「空室保証」ともいわれます。

サブリースの仕組みは以下の通りです。

サブリースの図

通常は、マンションオーナーから賃貸管理会社を通して直接入居者にお部屋を貸します。

つまり、この場合のデメリットは空室時には賃貸収入がオーナーに入らなくなることです。

しかしながら、サブリース契約の場合は賃貸管理会社がお部屋の入居者になりますので、転貸先の入居者がいてもいなくても一定の保証賃料がオーナーさんに支払われます。

しかしながら、昨今このサブリースが社会問題化しており、様々なトラブルが発生しております。

サブリースをめぐるトラブルは以下の通りです。

  • サブリースの当初保証賃料が購入後数年で一気に下がる
  • サブリースの契約を管理会社から一方的に解約される
  • オーナー側からサブリースの解約ができない(売却できない)
  • 実際の貸出賃料や貸出先が不明(借り換えなどができない)

賃料が減額されることや、一方的に解約されることなどを理解せずに契約してしまい、トラブルに発展することも多いです。

日本の借地借家法では、入居者は強く保護される傾向にあります。

サブリース契約の場合、お部屋の入居者は管理会社となりますので、その管理会社が強く保護されてしまう傾向にあるのです。

よって、サブリースを契約する場合は以下の内容に注意して検討しましょう。

●サブリースの保証賃料は一定ではない
●途中で保証が打ち切りの可能性もある
●サブリース契約はオーナーから解約できるのか
●サブリース中でも貸出先や貸出賃料は教えてもらえるのか

まとめ

ワンルームマンション投資は、生涯にわたって賃料収入を稼いでくれる非常に有益な投資です。

しかしながら、投資対象の物件や管理条件を間違えてしまうと取り返しのつかない失敗をしてしまうことも。

「リスク0で大きく儲かる!」

基本的にそんな話は存在しません。

不動産投資でいうならば高利回りの物件や地方の投資物件が該当しますが、その裏には大きなリスクが必ず潜んでいます。

どのような物件を選択するかは、その人のライフプランや、人生の目的によって千差万別です。

よって、まずどのような物件を購入するのか?

ではなく、どのようなライフプランをお客様が歩んでいきたいか?

を明確にし、その上でその目的を達成するための最適な物件選びをすることが最も大切であると考えます。

(執筆者・宅地建物取引士 河瀬 涼

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